鼻涙管閉塞(涙道疾患)とは
鼻涙管閉塞(涙道疾患)とは、涙の通り道「涙道」に病変が生じる疾患のことです。
涙は、「涙腺」で作られ目を潤したあと、ほとんどが目頭にある「涙点」→「涙小管」→「涙のう」→「鼻涙管」を通って鼻の奥へと流れていきます。
この涙の通り道を「涙道」と呼びます。
この「涙道」が詰まったり狭くなったりすると、
- 涙があふれる
- 目頭が腫れる
- 目ヤニが出る
- 感染を起こす
などの症状が出てきます。
生まれながらにして詰まっている「先天性」と、大人になってから生じる「後天性」に分けられます。
「先天性」の場合、ほとんどが膜のようなもので鼻涙管が閉塞している状態です。生後間もなく~1ヵ月以内に涙があふれたり多量の目ヤニが出たりなどの症状がでます。
「涙道」が詰まっている場合、目薬では治せません。詰まった部分にチューブを入れるなど物理的な方法で開通させる必要があります。
目頭マッサージを行うことで生後6か月までは完治することがありますが、それまでに改善しない場合にはむしろ症状を長引かせてしまいます。
治療
先天性鼻涙管閉塞の治療は比較的簡単で、ブジーと呼ばれる柔らかい針金のような器具で内腔の膜を破ることで鼻涙管を開通させます。生後6〜12ヵ月の赤ちゃんを押さえつけながらの治療ですが、経験豊富な院長がおこなうので、1~2分で終了します。入院の必要はありません。
術後数日は血がでることもありますが、流涙や眼脂はすぐに消失します。
先天鼻涙管閉塞と診断されたら、ブジー治療を受けることをお勧めします。
治療費
先天性鼻涙管閉塞に対するブジーは保険診療ですので、乳幼児の個人負担は0割です。
当院では先天性鼻涙管閉塞に対してのブジー治療を行っております。
気になる症状があれば、お気軽にお問い合わせください。
中高齢者になってから鼻涙管狭窄となる「後天性鼻涙管閉塞」もあります。その際にも乳児と同様に涙道ブジーを行いますが、ブジーだけでは再発はかなりの確率で起こってしまいます。
シリコンチューブを留置する涙管チューブ挿入術や、涙のうから鼻へのバイパス(抜け道)を作る涙のう鼻腔吻合術などが行われることがありますが、これらの手術が必要な場合には専門病院にご紹介いたします。