ものもらいとは
ものもらいは、主に2つのタイプ「麦粒腫」と「霰粒腫」に分類されます。
麦粒腫は、黄色ブドウ球菌など細菌による感染が原因で、まぶたの縁や内側が炎症を起こしている状態です。症状としては、痒みや赤み、痛みが出るほか、その中心には白い点のある腫れがみられるのも特徴です。通常よく言われるものもらいは、麦粒腫であることが多いです。
疲労困憊時や夏の季節に発症しやすく、コンタクトレンズの装着時間が長い方なども罹りやすいと言われています。治療では、抗菌薬を含む点眼薬のほかに、膿を出すために小さな切開を行うこともあります。また、コンタクトレンズの装用が原因の場合は、使用を控えるようにします。
霰粒腫について
もうひとつのものもらいは「霰粒腫」です。これは、まつ毛の根元にあるマイボーム腺に脂肪が溜まることが原因で起きる疾患で、まぶたにしこりを感じます。目にいぼがあるような見た目から「めいぼ」とも呼ばれています。
麦粒腫のように痛みのような症状が出ることはありませんが、炎症(細菌感染による化膿)を起こすと痛みを伴うようになります。その場合は、化膿性霰粒腫と呼ばれます。このような状態になると麦粒腫との区別がつきにくくなるため、正確な診断による適切な治療を行うためにも眼科できちんと診察を受けるようにしてください。
霰粒腫切開術を行います
霰粒腫は、溜まった脂肪が自然に排出されてしまうといったこともありますが、角膜を圧迫するなど症状が重いという場合は、霰粒腫を切開する手術(霰粒腫切開術)になります。切開については結膜側、もしくは皮膚側から行います。できるだけ跡が目立たないように結膜側から施術しますが、発生場所によっては皮膚側から行うこともあります。その場合は二重のライン上で行うなど目立ちにくい場所から切開します。なお切開時は、点眼麻酔をした後、局所麻酔も行いますので、痛みをあまり感じずに済みます。
また、切開以外の治療法としては、ステロイド薬の注射をまぶたに行うことで、しこりを消失させるという施術もあります。(当院では施行していません)